YOLOしく我が人生

不眠症と発達障害のせいでニートやってるけどこのままじゃいけないと思い立ち色々頑張ってる精神障害者のブログ

10勝しても10敗する投手はいらないとかいう頓珍漢発言

 その昔、門倉健というプロ野球選手が居ました。彼は2006年のオフ、年俸アップや複数年契約を希望したのですが、当時在籍していた横浜ベイスターズが「10勝しても10敗する投手はいらない」という理由でこれを固辞しました。それでFA宣言して巨人へと移籍するのですが、2年で1勝しか出来ず退団。本人にとっては悔しいでしょうが、図らずも当時の横浜の門倉に対する評価は当たっていたことにになります。しかし、私が聞き捨てならないのは「10勝しても10敗する投手はいらない」という発言です。とてもプロ野球団を経営する側の発言とは思えません、野球というものをわかってないのではないでしょうか。確かに10勝10敗の投手は貯金を一つも作っておらず、一見平凡な投手という印象がありますが、それは全くの誤解なのです。

 

先発投手に求められる仕事とは

突然ですが先発投手の仕事ってなんでしょう。勝利投手になること?違います、勝ち星が付くのは、それはあくまで運と打線の援護の賜物でしか無いのです。勝ち星が付くためには打線の援護点が必要です。だから極端な話7失点しても打線が8点以上取ってくれたらその投手は7失点したにも関わらず勝利投手になれるのです。つまり勝ち星の数で先発投手を評価してはいけないのです。

先発投手の仕事は試合を作ることです。これは噛み砕いて言えばそれなりに少ない失点で抑えつつそれなりのイニング数を投げてくれること、これが出来た時、先発投手は仕事を果たせたと言えます。逆に、早いイニングから打ち込まれて大量失点しノックアウトされた時は仕事が出来なかったということになります。早い話が、長いイニングを食える投手、こういうのをイニングイーター(Inning Eater)と呼びます。先発投手にとって大事なのは優秀なイニングイーターであることです。そして重要な指標はクオリティ・スタート、通称QSです。これは先発として登板して6回以上3自責点以下だった場合がQSとみなされます。通常QSは遂行した数ではなく率で評価されます、QS率です。例えばQS率が75%の投手は登板させれば75%の確率で6回以上3自責点以下の投球をしてくれる投手だということです。このQS率が高ければ高いほど、先発投手として優秀な選手だということになるのです。QS率75%はかなり良い選手の部類です。悪い選手は50%を平気で切ります。

勝利投手・敗戦投手は大して重要じゃない

そして、ここからが本題なのですが、10勝10敗の投手の10敗ですが、この10敗というのを全て投手の責任に押し付けては駄目だということです。何故なら、打線が打てなかったがためにQSを達成したのに敗戦投手になったということも十分考えられるからです。敗戦投手になるということは、もちろん自分の投球内容が悪かった場合もありますが、投球内容が良かったにも関わらず負けたならそれは打線のせいということであり、投手に責任はありません。だから貯金0というだけで一概に10勝10敗の投手を駄目だと言ってはいけないのです、それは明らかな過小評価です。

 

ローテーションを守り年間をフルで活躍した証拠

そもそも、10勝10敗したということは少なくとも先発で20試合登板したということになりますよね。20登板したということは、シーズンを通してほぼ先発ローテーションを守っているでしょう。ローテーションを守るというのもまた先発投手にとって高評価の一つです。野球って先発投手のローテーションのやりくりが結構大変で、首脳陣は結構頭を悩ませるんです。そんな中、ローテーションを守って確実に働いてくれる選手というのはそれだけで監督からしてみれば有り難い存在ですし、20回先発登板をさせるのは首脳陣から信頼されている証拠でもあります。もし、まだまだ力不足な選手だと投球内容が悪く数回試合を作れなかったらそれだけで2軍に落とされるでしょう。ちょっと失敗しても2軍に落とされず1軍に帯同し続けられるのは、それだけ首脳陣から見て計算出来る投手だと評価されているからであり、首脳陣からみれば間違いなく居てくれなきゃ困る存在です。

日本でももっと勝ち星以外で先発投手を評価して欲しい

それをたまたま10敗したからといって要らないと切り捨てるのは、当時の横浜のフロントはかなりの無能だったのでしょうね。日本も最近はQSという概念は浸透してきたようですし、勝ち星だけで先発投手を評価するのはやめて欲しいですね、そんな前時代的な評価をしていると不当な査定をされるわけですし、自分ではなく打線の責任で負けたのに負けの責任をその投手が被ることになり、結果として年俸に響いてしまっては堪ったものではありません。

個人的には、先発投手の評価ポイントはこの3つだと考えています。

  1. QS率(せめて60%は超えていてほしい)
  2. 投球回数(200回を超えているとかなり優秀)
  3. 防御率(上2つに比べたら重要視しないが低いとなお良し)

門倉健という投手は本当に要らなかったのか?

というわけで、10勝10敗する投手というのは間違いなく必要な選手であるわけです。とくに先発の駒不足に悩んでるチームからするとそれだけで神のような存在です。冒頭で門倉健は巨人に移籍して2年で1勝出来なかったと書きました、しかし私は勝ち星だけで投手を評価してはいけないと論じたのでこの数字だけで活躍出来なかったと結論付けることは出来ないわけです、こういう時はウィキペディアを見ればいいわけです。QS率は載っていなかったのでイニングをどれだけ食ったか計るために投球回数を見てみましたが、巨人移籍1年目は先発5登板で31.2回、2年目が先発0で12.2回となっているようです。

うーん、言いづらいですがこれはちょっと微妙かもしれませんね。